2018年4月にオーストラリア・南オーストラリア州にある街、アデレードに移転し早丸5年がたとうとしています。
すっかり住み慣れてきたけれど、まだまだ知らないことも多くあるこの街のことを少しずつ書き記していこうと思います。
今回はアデレードのデザインマーケット、Bowerbird について。
デザインマーケットとは
オーストラリアにはインディペンデントなブランドが参加できるデザインマーケットが各地で開催されており、Bowerbirdはアデレードで開催される最も大きなもので、最近のものでは3日間で延べ7500人が来場しました。
the Big Design Market, Finders Keepers 等、デザインマーケットの定義や条件はそれぞれ独自に異なるものですが、Bowerbirdの特徴としては出展条件として「自分でデザインしたプロダクトであること」が求められます。ゆえにストール（マーケットなどにある小さな店舗）を出している人はある意味皆デザイナーであり、自分で作ったものを販売しているプロダクトビジネスに（フルタイムでなくとも)なんらか従事している人々となります。
年に２回開催されているこのマーケット、コロナでやはりキャンセルや延期が続いたためしばらく出展の機会を伺っていましたが、2022年11月にグログランで初出展しました。
アデレードでお客様に商品をまとめて見せられる機会を探していたので、4年経ちようやく、という気持ちです。
日本では年２回開催していた展示会もしばらく行っていなかったので、この４年間自分自身はオンラインベースの販売のみ。
日本の協力いただいている方にイベントを開催いただくことはあれど、自分で直接接客する機会がなく、セールス筋力がすっかりなまっているような感覚。
しかも英語でまともに接客するのは過去メルボルンでマーケットに参加した時以来。
正直１点でも売れるかなぁ？と不安一杯での参加となりました。
いざデザインマーケットへ出展
帽子を20点ほど持っていったでしょうか。ディスプレイは壁面をうまく使ってポップにしてみよう。とビーチを意識したストライプ柄のファブリックを大きく飾り、そこに帽子を並べました。テーブルの上にもあれこれ、並べてみる。タイダイのヘッドバンドと帽子はカラフルでキャッチーだから、目に留めてもらえるかな？と今回のイベント用に製作しました。
反応は上々で夏前のシーズンということもあり’I need a hat!’（帽子がいるわ！)といいながら手を伸ばしてくれる方多数。
頭が大きくてサイズがないの、というお客様も多数。サイズも様々用意していたのですかさず「これを試して！」と渡してみる。
接客がんばってます
「アデレードベースなの？」とよく聞かれて、「ここに住んでます」と答えるととても喜んでもらえるのも嬉しい。メルボルンやシドニーから出展している人々も多いのです。「普段はどこかで見られるの？」と聞かれ最近商品を置いてくれるようになったお店のこともたくさん紹介していきます。
今回帽子で出展したのは185の出展者中、グログランだけだったので帽子が欲しい人には注目してもらえたかな。
マーケットならではの楽しさ
両隣やお向かいのストールのオーナーたちとは常におしゃべりしながら。調子どうお？と声を掛け合います。皆とっても気さくに話してくれてお互いの商品をじっくり観察しあうのも、オーストラリアらしい。スモールビジネスオーナーばかりだからこんな時の情報交換や関係構築はとっても励みになります。
今回出店料（990AUD）を賄えるかな？と不安でしたが想像以上の販売結果につながりました。帽子の在庫をもう少し用意しておいたらもっと販売に繋がったなぁ、とも思える結果に。日本と売れる商品も傾向も異なるけれど、自分に似合う帽子を選ぶ手助けをする、という接客は変わらず。次に向けてこうしていこう、という気持ちも高まりました。次回は2023年5月5日から7日です。こちらも楽しみです。
食もマーケットの楽しい点。パエリアとっても美味しかったです
自分を労ってカンパーイ ジンのトローリーも会場を回っています誘惑が多いです
たくさんのネイティブフラワーがディスプレイに使われて
次回はこちらです
Bowerbird
5–7 May 2023
Fri 4pm–9pm / Sat & Sun 10am–5pm
Wayville Pavilion, Adelaide Showground
オーストラリアのデザインマーケットへの出展方法
日本でクラフトマーケットやデザインマーケットに出展したことがある方もオーストラリアでは初めて、という方もいると思うので出展方法を簡単にご紹介しておきます。まず比較的規模の大きなマーケットはアデレードのBowerbirdの他に各都市で年２回程度春夏・秋冬に開催されています。
自分が参加したい年のデザインマーケットを探して、出展のためのapplicationを送ります。大体オンライン上で応募する期間がきまっているのでそのタイミングでアプライ。その際にはブランドのコンセプトやプロダクト写真、SNS等のアカウント、ウェブサイト等が求められます。英語でブランドコンセプトを伝えること、また英語のウェブサイトがあることはセレクトには必須条件と思われます。また、出展条件にオーストラリアに在住か否かが問われるマーケットもあるので要注意です。
ブランドのセレクションが行われ、大体応募から１ヶ月くらいで可否の返事がくるので、OKであれば出展に向けて準備していきます。大体出展OKとなって2週間以内に出店料を支払います。出店料は規模とストールのサイズによって様々。大規模なマーケットは大体1000AUD前後から。初出展やビジネスをスタートしたばかりの方向けに小さめのストールを600AUD前後で用意するマーケットも多いです。
開催当日まではディスプレイのための什器や電力を手配し（イベントからレンタル可能）当日の搬入撤収の方法を模索し（車で搬入するところが多いでしょう）
ディスプレイを考え、商品や決済方法を準備し…とやることはたくさん。最近はキャッシュレスが求められるのでSquare等のコンタクトレス決済の導入が必要になるでしょう。商品を渡すための方法や値札の付け方、手渡すカードやSNSのQRコード等じっくり準備してその場の販売も大事ですがそれ以上に自分の商品やブランドを知ってもらう宣伝広告の時間、と考えマーケット期間のレスポンスを最大化できるようできる限り準備するのがよいですね（自分のお尻を叩きながら…）。その場で買ってもらえなくてもウェブに戻ってきてもらえたらラッキーだし、何よりまず知ってもらうこと。
マーケットも多くの人が訪れる大規模なものから、ローカルの人々が訪れる小規模なものまで色々あるので都市でよく検索してみるのがよいと思います。以下３つはオーストラリアの中でも規模の大きなマーケットです。
メルボルンのRose St Artist Marketには以前メルボルンに滞在した時に２度、参加しました。ローカルな、中規模なマーケットですが旅行者も多く反応が良かったです。帽子もちゃんと売れました！
同じくらいの規模感のアデレードのGilles at the Groundには近々参加してみようと思っています。
ショッピングモールでは出会えない、インディペンデントなブランドがあつまるマーケットでは今まで知らなかった商品やブランドに出会える喜びもあります。
今回自分用に購入したカラーの可愛いオーストラリアメリノウールのソックス（goomo）はVIC州Geelongから天然由来の成分のみで作られた香水 (botanicenve) アデレードベースのブランド
遊びに行くにも出展するにも沢山のエネルギーをもらえる場所だと思います。次回のBowerbird、アデレード在の方にぜひ遊びに来てもらえたら嬉しいです。ぜひ声をかけてくださいね。
Mina
a letter from Adelaide 